数理生命システム分野では、時空間的に多岐にわたるスケールにおいて起こる環境と生命現象一般に関する諸問題を数理モデリングの立場から解明することを目指しています。具体的には、対象系をモデルとして抽象化するモデリング、組み立てたモデルをシミュレーションモデルとして実装して解析する手法、さらに様々な数理的手法などの手段を用いて、生命現象とそれを取り巻く環境に関する諸問題の基本原理の解明を試みます。
生命現象は遺伝子発現や細胞内の代謝といったミクロなスケールから、生物個体群の動態、複数の生物種が関わる群集や生態系の動態、さらに人間活動による生態系のかく乱や、生物の進化といったマクロなスケールと多岐に渡ります。
この様々な階層的スケールにおいて生命は環境に応答し、一方で人間を含む生命も環境に影響を及ぼします。環境と生命システムの関係は一見非常に複雑ですが、その背後に潜む規則性・法則性をモデル化することによって生命システムの謎に迫ることができます。
また、モデリングを通じて様々な環境の変化に対する生命現象の応答を予測することで、持続可能な社会を実現するために今後我々がどうするべきかについて科学的な見地からの提案を目指します。
当分野では、広い意味の数理生物学の研究を展開するとともに、数理を含む多様な観点から様々な問題解決に貢献できる能力をもつ人材を養うことを目標とします。
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